長時間労働改善の新たな働き方

多くの企業が長時間労働の問題を改善するために、強制一斉退社や残業禁止、休日出勤禁止などの対策を打ち出しています。
しかし、表面上は残業が減ったように見えても、上司に隠れて社外で仕事をする隠れ残業が行われ、会社の情報を外に持ち出すことでセキュリティ上でも懸念が生じています。

また、しわ寄せが下請け企業に向かっているという話もよく聞くようになりました。
日本の長時間労働は、実はあまり効率のよいものではありません。

先進国35か国が加盟するOECD(経済協力開発機構)の調べによると、日本のGDPは世界3位であるにもかかわらず、労働生産性は21位と低いことがわかっています。
単に残業を減らすだけでなく、働き方を改革して、効率性を高めることが経済成長を維持する上でも非常に重要となります。

働き方を改革する具体策として期待されているのが、テレワークやインターバル制度です。
テレワークはもともと離れた場所で働くという意味の造語で、一般に在宅勤務と呼ばれます。

最近では、サテライトオフィスの使用なども含め、通勤などの負担を減らし、時間を効率よく活用する働き方として採用する企業が増えています。
インターバル制度は1日の勤務終了時から翌日の始業時までに一定のインターバル(間隔)を保証する制度で、ライフワークバランスの向上を図る上で有効と考えられています。

EUでは「最低11時間の休息時間」を義務化するなどインターバル制度が定着しています。
近年、日本でも恒常的な長時間労働が問題となっているインターネット関連業界や不規則な勤務体系の改善を目指す業界を中心に注目が高まっています。